酒田五法とは。ローソク足の勝てるパターンを定義した江戸時代より伝わる投資手法になります。
現在でも、FX・株・バイナリーオプションにおけるテクニカル分析の方法の1つとして利用されます。
そこで今回は酒田五法のチャートパターン一覧と、実際のFX相場で本当に勝てるのかなどを検証していきます。
ローソク足の基本「酒田五法」とは?
そもそも酒田五法とは一体なんぞやということについてですが、
酒田五法とは、
江戸時代に本間宗久(1724年生まれ)によって編み出された相場分析方法
になります。
本間宗久は米相場で活躍した巨万の富を築き上げており、ローソク足を考案したのも彼なんだとか。
そんな彼がローソク足の生み出した勝ちパターンをチャートに落とし込んだのが、酒田五法というわけです。
わかりやすく言えば、ローソク足のテクニカル分析の方法に1つで、株やFXでトレードする上で基本となる「教科書」的なものともされています。
勝ちパターンを示す「5つの法則」
酒田五法というからに、酒田五法は、
- 「三山(さんざん)」
- 「三川(さんせん)」
- 「三空(さんくう)」
- 「三兵(さんぺい)」
- 「三法(さんぽう)」
これらという5つのチャートのパターンを基本に提案されています。
酒田五法のチャートパターン一覧を見ていこう!
それでは酒田五法のチャートパターンをそれぞれ見ていきましょう!
三山(さんざん)
引用元:http://invest.aandm-china.com/sakata/3yama.html
まず三山ですが、こちらはトリプルトップとも呼ばれ、画像のように
上昇相場において、3回山を作る形を形成したら、その後、下落に転じる可能性が高い
というものになります。
上値に3回トライしたが、それを越せなかったため、上昇相場は終わるだろう・・・ということですね。
「天井」は、まあ抵抗線とかですよね。
特に出来高が少なってきていると、上昇相場の終わりが強く意識されます。
上値が同値で反発せず、下記画像のような形も同様に下落へと転じるシグナルを示していて、「三尊」と呼ばれます。
引用元:http://invest.aandm-china.com/sakata/3yama.html
三川(さんせん)
また、上昇相場から下降相場へと転じるシグナルだけでなく、これの逆の「三川(逆三山)」というのもあります。
この場合は下降相場において3回谷を作ったら、その後は上昇に転じる可能性が高いと見てとれます。
逆の発想で、3回底値にトライしたが、全て反発されたから、上昇に転じるだろうということですね。
出来高が上昇していると、上昇に転じる可能性が高いと見れます。
こちらも逆三尊という、下にボコっと出た形のものもあります。
引用元:http://invest.aandm-china.com/sakata/3yama.html
こちらも上昇に転じると考えられるチャートパターンです。
三川については違う説もあり
なお、三川については諸説あり、上記で説明したのは、あくまでも「逆三山だ!」という説もあるようです。
そういった場合は
3本のローソク足の並びに注目して、相場の転換点を見つける
という分析方法だと捉えられています。
具体的にまずはこちらが、「三川明けの明星」というチャートパターンです。
- 1本目:長い陰線
- 2本目:小さくてヒゲの長い陽線or陰線
- 3本目:長めの陽線
底値圏で現れた場合、この後、上昇トレンドに展開し、強い買いシグナルであることを表します。
2本目で買い、売りがもみ合い、その後、大きな陽線が出たら、買い優勢になったということですね。
その逆の「三川宵の明星」というのもあります。
- 1本目:長い陽線
- 2本目:小さくてヒゲの長い陽線or陰線
- 3本目:長めの陰線
こちらが高値圏で出たら、売り優勢と見てとり、この後は下降していくだろうと見てとれます。
三川については、いろんなバリエーションがありますので、覚えるというよりは
「そのローソク足が示している意味、買いと売りでどっちが優勢になっているのか?」
など市場心理を踏まえて見てみると良いと思います。
引用元:https://www.gaitameonline.com/academy_chart12.jsp
三空(さんくう)
三空は、
窓(空)が3回連続現れて、勢いよく「上昇」又は「下降」する場合はトレンドが反転する
というものです。
窓(マド)とは、始値が前日の終値より大幅に大きく(小さく)なることで、チャート上にできた空洞のことになります。
FXではあまり見られず、株でよく見られます。
具体的には以下のような「三空叩き込み」や「三空踏み上げ」です。
引用元:https://www.gaitameonline.com/academy_chart12.jsp
「三空叩き込み」の場合はすでに売りつくされてしまっている場合が多く、反転する可能性が高いです。
「三空踏み上げ」はその逆ですね。
3つ目のマドが現れたら、市場心理的にも皆そろそろ反転するだろうと思い始めますので、相場の流れとは逆に行くように見ていきましょう。
三兵(さんぺい)
三兵は、
- 底値圏で3本陽線が出たら「買い」(赤三兵)
- 上昇転換シグナル
- 天井圏で3本陰線が出たら「売り」(三羽烏)
- 下落転換シグナル
というものです。
引用元:http://invest.aandm-china.com/sakata/3hei.html
これはどこで現れたか?というのも重要なポイントで、
もし赤三兵が高値圏で現れ、3本目のローソク足が上ヒゲをつけたら、買い意欲が減退し、天井をつける
と見てとれます。
引用元:http://invest.aandm-china.com/sakata/3hei.html
- 「赤三兵」の3本目のローソク足が上ヒゲをつけたら『買い意欲の鈍り』
- 「三羽烏」の3本目のローソク足が下ヒゲをつけたら『売り意欲の鈍り』
特に3本目のローソク足のヒゲ、さらにその長さまで注目するようにしましょう。
三法(さんぽう)
三法は、上げ三法と下げ三法があり、相場の「休み」に注目したチャートパターンになります。
引用元:http://invest.aandm-china.com/sakata/3hou.html
上げ三法では、上昇相場において出現した大陽線の後に、小さな陰線や陽線をはさみ、その後、
最初の大陽線の上を抜く陽線が出現すれば「買い」シグナル
と見ます。
この時、逆に3つ目の陰線が大陽線の安値を下回ってしまったら、下落サインになるので注意が必要です。
保ち合いの期間(レンジ相場)は
相場が上昇するか、下降するか分からないので休んだほうが良い
とされています。
「下げ三法」は「上げ三法」の逆のパターンになり、下落相場で見られます。
最初の大陰線の後、小さい陽線で保ち合いの期間が続き、その後の大陰線が1本目の安値を超えてきたら、「売り」シグナルと捉えます。
こちらも同様に、レンジ相場では取引を休んで、明確にどちらかに抜けたところでトレードするのが吉です。
酒田五法について個人的な考察
酒田五法について見てきて、個人的に思ったこととして、単純といえば単純ですが、
3回目という回数が鍵
になっているパターンが多いですね。
もちろんダブルボトム、ダブルトップみたいに、2回目でトレンドが転換する場合もあります。
引用:https://fx-beginner-easy.com/post-953/
しかし、経験上、3回目の時にトレンド転換するパターンが多い気がしますね。
僕自身これで、
「ここで反発して上がるだろうから、「買い」を入れよう」
みたいな感じで買った時、レジスタンスラインを割ってダウントレンドに転換して、かなり痛い目を見ました(笑)
自分自身への戒めも込みですが、「3度目の正直」ということで、3回目に抵抗線にトライする時は、間違いなく様子見した方が良いと思います。
あるいはもしポジションを持った場合は、「割った」と思ったら損切りしないとダメですね。
実際のFXや株の相場を見て勝てるのか検証してみた
ここまで酒田五法の定義なるものは見てきましたが、結局のところ実際の相場で勝てるのかどうかが全てですよね。
やっぱりチャートを見てみて、本当にそのパターンが現れているときに、その定義通りになっているのか見て、しっかりと頭に叩き込みたいところ。
ということで、執筆現在のFXのチャートをみてみて、酒田五法が勝てているのか簡単に検証していければと思います。
まずぱっと見、「三川明けの明星」っぽいの見つけました。
確かに上昇に転じているのですが、この場合、その上昇トレンドは長く続かず・・・
その後すぐに大陰線によって打ち消されていますね。
これは三川の「つつみ」というシグナルが出ていて、相場の勢いが後退していることを表しています。
だから、あまり上昇は続かなかったようですね。
この場合、もしエントリーしていたら、「つつみ」が出たところで見限って、損切りしておくのがベターそうです。
そしてこいつは「赤三兵」だと思います。
過去からの流れを見て、底値の反発ラインのところで、赤三兵が現れ、3つ目のローソク足の上ひげがほぼないことから、「買いシグナル」だと見て取れます。
実際、結果論ですが、その後、大幅な上昇トレンドに転じています。
よくみるとその後の陽線3本も赤三兵と見て良さそうですね。
買いポイントとしては、この抵抗線をブレイクしたところが確実だと思います。
そしてこちらは株の日経平均のチャートになりますが、「三空叩き込み」の例を見つけました!
やはりマドができる三空に関しては、取引時間が絞られている株じゃないとなかなか観測は難しそうですね。
ただ現れた個所を見てみると、確かに3回窓を作ったところで、
ローソク足がコマ
を形成してトレンドが転換していますね。
コマとは、以下のような感じで文字通り、コマみたいな形状をしたローソク足の事。
トレンドが転換する意味を示すローソク足になります。
これを起点として上昇に転じているので、「三空叩き込み」の理論通りとなっていることが分かります。
とはいえ、その後、長くは上昇が続いていませんので、長期で買いホールドできる場面ではなかったようですね。
以上、ぱっと見で見つかった酒田五法のチャートパターンをご紹介しましたが、結果論ではありますが、当たっているとみてとれますね。
もちろん100発100中で当たるかと言われれば、そうではないのは確かですが、しっかりと損切りラインを決めた上でトライするのであれば、トータルで勝ちになる確率は高いのではないかと予想します。
いつか『酒田五法』のチャートパターンを機械的に実践するトレードも行って、その検証結果もシェアしたいと思っています。
それでは今回は勝てるチャートパターンの『酒井五法』をご紹介しましたが、トレードするなら覚えておいて損はないのは確かなので、しっかりと頭に入れておきましょう!