ネム(NEM)とは、通貨単位XEMの仮想通貨(アルトコイン)。
開発に仮想通貨取引所『Zaif(ザイフ)』を運営しているテックビューロ社が関わっており、コインの性能自体もビットコイン2.0と称されるほど高いのが特徴のコインです。
この記事ではネムコインの特徴(発行枚数・ハーベスト)、現在のチャート相場や時価総額、販売する仮想通貨取引所での買い方・購入方法などを紹介していきます。
ネムの今後の将来性やカタパルトとはについてもまとめましたので、ぜひ取引などを行う上での参考にしてください。
NEM/XEMが購入できる取引所
仮想通貨ネム(NEM/XEM)とは?
ネム(NEM)とは、もともと『New Economy Movement(新しい経済運動)』というプロジェクトの略称でしたが、現在は「ネム(NEM)」という固有名詞になっています。
プロジェクト名の意訳の通り、金銭的な自由、富の分散化、平等といった新しい経済圏の創出を目指して始まった仮想通貨(暗号通貨)のプロジェクト。
そして、そのプロジェクトで使われる仮想通貨が通貨単位でもあるXEM(ゼム)になります。
これがいわゆる仮想通貨取引所などでも扱われているネムコインというわけですね。
ややこしいですが、『NEM=XEM』と考えていただいてOKです。
発行上限枚数は約90億枚
ネムの発行上限枚数は約90億枚(8,999,999,999XEM)となっています。
これは2015年3月31日に公開された時に、総発行量8,999,999,999XEMが1,600人の投資家に均等に分けられたのが始まりで、そこからは一切、新規発行されていません。
というより、そもそもネムにはビットコインのような新規発行に該当するマイニング(採掘)がなく、ハーベスティング(収穫)というアルゴリズムによって報酬が分配されていくのです。
後ほど説明しますが、この特徴がまさに「富の分散化」を実現する仕組みになっているのです。
ネムコイン(NEM/XEM)の基本情報
名称 | NEM(ネム) |
通貨単位 | XEM(ゼム) |
公開日 | 2015年3月 |
発行上限枚数 | 8,999,999,999XEM(約90億) |
開発者/開発組織 | Utopianfuture |
コンセンサス(承認)アルゴリズム | Proof of Importance(PoI) |
取引の承認目安時間 | 約1分 |
ネムコイン(NEM/XEM)の時価総額
ネムは多くの投資家から人気を集めており、数千にも及ぶとされる仮想通貨の中でも時価総額ランキングでベスト10以内の常連になる程人気のアルトコインに名を連ねています。
ネムのコインとしての特徴と評価すべき点
ネムの仮想通貨としての特徴を見ていきましょう。
取引(トランザクション)スピードが約1分と早い!
ネムはビットコインをワンランク上にバージョンアップした「ビットコイン2.0」とも称されています。
ビットコインが抱えていた問題点を改善しており、非常に性能の高い仮想通貨に仕上がっているのです。
具体的には、ブロック生成間隔が約1分、つまり1つの取引にかかるスピードが約1分となっているのです。
ビットコインでは約10分かかりますので、約10倍以上も早いことになります。
取引スピードが早いことが特徴のライトコインでさえ、約2.5分というスピードなので、いかに早いかが分かりますね。
ハーベスティング(収穫)による優位性
ネムのプロジェクト目的は、平等で自由な新しい経済圏の創出でしたね。
それを体現しているとも言える部分なのが、マイニング(採掘)に代わりハーベスティング(収穫)という報酬制度を採用していることが挙げられます。
その報酬制度は具体的に、ネムのブロックチェーンで使用されている承認(コンセンサス)アルゴリズムのPOI(Ploof-of-importance)というシステムで支えられています。
POIとは、ネムを持っている量だけでなく、
- 実際に使用した量
- 取引の頻度
などを考慮に入れて、POIスコアというスコア付けがされて、そのスコアのランクによってネムの報酬が発生するという仕組みです。
この報酬を得ることがハーベスティング(収穫)になります。
つまり、NEMネットワークを積極的に使う人が、利益を得られる仕組みになっているのです!
マイニングのPOWによって報酬が発生するビットコインなどは、計算能力が評価されて報酬が支払われますので、高性能なパソコンを持っている人ほど報酬が得やすい仕組みになります。
これはつまり資産をたくさん持っている人ほど、報酬が得やすいということ。
例えば、電気代の安い中国などで専門家集団が組織的にマイニングを行うと、それだけで有利ということですね。
一方で、NEMは取引を活発に行わなければ報酬が得にくいので、NEMが一定の人に多く集まることが起こりづらく、常に富が分配されていくのです。
この仕組みがゆえに、富が一定層に偏らない「富の再分配」ができ、平等で自由な新しい経済圏の創出が目指せるというわけです。
このように高い性能を持つネムは非常に高い評価を受けています。
特に開発に日本人がかかわっている通貨ということもあり日本では大人気通貨に。
2017年12月には渋谷にNEMBARというXEMで決済可能なお店まで誕生するほどの過熱ぶりを見せています。
ネムとmijin
mijin(ミジン)とは、日本国内大手の仮想通貨取引所Zaif(ザイフ)を運営するテックビューロ社とネムの開発者が開発するプライベートブロックチェーンのこと。
以下の動画をご覧いただくと分かりやすいかと思います。
ネムとmijinは連携しており、ネムのシステムはmijinで、mijinのシステムはネムで使用できます。
その違いは、NEMが公開型ブロックチェーンで、mijinはプライベート型ブロックチェーンだと捉えると良いでしょう。
NEMにおけるハーベスティング(収穫)のやり方
仮想通貨のリスクで採用されているPOSの場合には通貨保有量で報酬が支払われますね。
一方、POIが優れているのは、前述の通り、「富の再分配」の点。
ハーベスティングした人は誰でも平等に基軸通貨であるXEMを手に入れることができます。
では、ネムのハーベスティングはどのように行うのかというと以下の方法で行うことができます。
- NANOWalletをインストールし、アカウントを作成
- 10,000XEM以上をウォレットに移行する
NANOWalletとはネムとmijinの両方で使用できるオープンスペースとして公開されたマルチプラットフォームのウォレットアプリケーションです。
要するに、ネムの主流のウォレットだと捉えてください。
⇒Nano Walletのダウンロードページはこちら
ハーベスティングをするにはウォレットに1万XEM以上の残高が必要で、加えて日を追うごとに少しづつ上昇していく「既得バランス」が1万XEMを超えると、そこからようやくハーベスティングに参加できる資格が獲得できます。
電源オフでもできる委任ハーベスティング
ネムのハーベスティングには、PCを立ち上げたままで行うローカルハーベスティングの他に、PCの電源を落とした状態でも可能な「デリケートハーベスティング」という方法があります。
これは自分のPCではなく、上位ノードの「スーパーノード」と呼ばれるものにハーベスティングを委任する方法です。
委任ハーベスティングと呼ばれることもあります。
スーパーノードは,通常ノードの上位版だと捉えればOK。
応答性能・ブロックチェーンの維持・秒間2000回のハッシュ可能・常時接続などを備えたシステムになります。
スーパーノードに作業を委任するには3,000,000XEMの保有者で、1日4回の性能検査をクリアする必要があります。
この要件をクリアしてデリケートハーベスティングを行うと、通常よりも高い報酬を得ることが可能です。
ネム(NEM/XEM)のチャート相場の値動き
ネムの2018年1月現在のチャート相場は以下の通り。
2015年
ネムの公開時からの価格の推移を見てみると、2015年3月31日に公開された時の価格は1XEM=0.02円ほど。
その後、しばらくは他の仮想通貨同様に関心を持たれることはありませんでした
2016年
2016年にはネムを利用したmijinプロジェクトを野村総研などが検証を進めているというニュースの影響を受けて急上昇。
チャートでは分かりづらいですが、公開時に比べると約10倍以上もの伸びを見せました。
2017年
その後は鳴かず飛ばずの状態でしたが、仮想通貨元年と呼ばれることになる2017年に入ると価格はどんどん上昇を開始し、12月までにかけて30円ほどまでになります。
そしてついに仮想通貨バブルが開始する12月になると大暴騰相場となり1XEM=70円まで買われます。
この時のニュース解説では中国大手のコミュニケーションアプリ「Wechat」のウォレットと連携することが材料視されていましたが、他の通貨につられてという部分が大きかったのでしょう。
暴騰したとはいえ、まだ70円という仮想通貨としては非常に魅力的であった価格帯。であり、ネム人気はついに沸騰しますが、ネムを手数料安く購入できる取引所『Zaif(ザイフ)』のアカウント作成に待ち時間が必要になり、ネムを購入したくても購入できないという状況が発生します。
2018年
12月にネムを購入したくてもできなかった資金が、取引所アカウント作成後の2018年1月早々にネムに投入されるや価格は大暴騰することになり、瞬間的に200円強の値段を付けます。
ただ利食い売りも多く一定期間は150円前後で小康状態となります。
その後、2018年1月16日の中国・韓国の仮想通貨規制強化というニュースで他の仮想通貨同様に暴落しました。
同じくXEMも80円を割り込み、その後は1XEM=120円前後というところまで戻りましたが・・・
1月26日、国内仮想通貨取引所のコインチェックにて約580億円分ものXEMが不正出金されるという大事件が起き、これによって再びXEMが売られる形に。
ただこの事件はネム自体の問題によるものではないため、ここが今後の値動きに注目が集まっています。
ネム(NEM/XEM)の今後の将来性やニュース
2018年1月の仮想通貨大暴落ですべて終わったと早合点している人も多いでしょうが、現在の各国金融政策(とりわけ米国)が変わらないと仮定すれば、まだまだ続く可能性は十分考えられます。
ただし、米国の株式相場も異常な上昇を見せていますので、世界的な金余り状態というバブルが破裂してしまうと、金融政策は変更せざるを得なくなり、その瞬間からお金は安全な投資先に凄まじい速さで逃避していきます。
金や日本円などが買われるようになると要注意かもしれません。
これらのことを頭に入れておいたうえで、ネム独自の好材料であり、今後の将来性の鍵を握る「カタパルト」について考察していきたいと思います。
カタパルト(Catapult)プロジェクトとは?
カタパルトとは、テックビューロ社とNEMのコアデベロッパーが共同で開発しているプロジェクトになります。
具体的にはNEMの決済機能としての処理能力を劇的に向上させる機能のことで、カタパルトが実装されることで、1秒に約4,000件の取引処理を行うことができるようになるアップデートのことになります。
決済機能があるにもかかわらず処理能力が問題視されているビットコインでは1秒に14件の取引処理しかできず、処理能力が優れていることで有名なリップルが1,500件ですから、ネムはその2倍以上の能力を持つようになるのです。
現在、我々が利用しているクレジットカード最大手のVISAが1秒に5,000件の処理能力といわれていますので、カタパルトの実装でいきなりVISAに近い取引処理能力を有するようになるわけです。
またカタパルトは、プライベートブロックチェーンmijinを改良して作っているものでもあります。
そのため単に処理速度が上がるだけでなく、カタパルトの開発によって新たに見つかる改良ポイントをNEMとmijinそれぞれに生かすなど、NEMとmijinの相乗効果をもたらす効果も期待されています。
ネムの価格の先高期待という意味では、このカタパルトが最も期待されている要因です。
ですので、カタパルトの実装時期やそれについての情報に価格は敏感に反応することは間違いないでしょう。
ネム(NEM/XEM)の買い方は?取引所での購入方法
ネム(NEM/XEM)の買い方ですが、現在、日本国内の取引所では、
これらの仮想通貨取引所において購入することが可能となっています。
結論から言えば、NEMを購入するなら『Zaif(ザイフ)』一択でしょう。
ZaifではNEMを販売所ではなく、取引所で売買することができるため、手数料が安く済みます。
取引所とはユーザー同士で売買できる場所になります。
販売所(Zaifなど取引所の運営会社)から購入する形だと、スプレッド(販売所が希望する買いの価格と売りの価格の差のこと)でマージンが取られる分、手数料が割高になる傾向が多いです。
あとは「指値注文(値段を指定して)」や「成行注文」もできるというのは大きなメリット。
また『Zaif(ザイフ)』を運営するテックビューロ社はNEMの開発に関わっているため、そういう意味でも安心ですね。
仮想通貨ネム(NEM/XEM)まとめ
ここでは仮想通貨ネム(NEM/XEM)に関する特徴やチャートの値動きなど様々な情報をまとめました。
2018年1月26日に不運とも言うべきか、コインチェックにてハッキングによる不正出金の騒動があったため、悪いイメージがついたかもしれませんが、コインの性能自体は非常に高いものとなっています。
あとはカタパルトが実装された際に、どうなるかに注目したいところです。
NEM/XEMが購入できる取引所