ビットコインを始めとする仮想通貨投資を始めようと思ったら何から始めればいいのでしょうか。
投資方法としては、仮想通貨取引所を利用して取引を行うやり方が一般的です。
しかし、仮想通貨取引所を利用して投資するにしても、短期売買を行うのか、中長期でホールドするのか、レバレッジを効かせた信用取引・FX取引・先物取引を行うのかなど投資方法がいくつかあります。
そこで今回はビットコインの投資方法について、仮想通貨取引所を利用した投資のやり方を紹介します。
信用取引・FX取引・先物取引とは何なのか、違いや各取引方法のメリット・デメリットも解説しますので、初心者の方は参考にしてみてください。
ビットコイン・仮想通貨の投資方法の流れ
ビットコインをはじめとする仮想通貨に投資するやり方は、仮想通貨取引所を利用して購入する方法が一般的です。
まずは仮想通貨取引所を利用して、ビットコインや仮想通貨を手に入れる投資方法の流れを紹介していきます。
仮想通貨取引所を利用して投資するやり方
仮想通貨取引所を利用して投資するやり方は以下の3ステップを踏みます。
- 仮想通貨取引所の口座を開設する。
- 取引所にお金を入金する。
- そのお金を利用して仮想通貨の取引を行う。
ビットコインを買うためには、まずは仮想通貨取引所と言われるところにアカウントを開設する必要があります。
株式投資でいう証券会社のような位置づけで、ビットコインの取引を行うための場所になります。
取引所のアカウントを開設したら、その口座に入金をするとビットコインの取引を始めることが可能となります。
口座開設がまだの方は『ビットコインの買い方・購入方法』を参考に、仮想通貨取引所への登録から行なっていきましょう。
仮想通貨取引所を利用した基本的な投資方法
では、具体的に仮想通貨取引所で取引を行うにあたっての、基本的な投資手法・スタイルを1つずつ紹介していきます。
短期売買(デイトレード・スキャルピング)
これはビットコインの売買を短期間で行うという投資方法です。
「デイトレード」や「スキャルピング」と言われる手法で、数秒〜数分、数十分単位で売買を繰り返します。
ビットコインをはじめとする仮想通貨の値動きは非常に激しいですが、秒や分単位で動く額というのは微々たるものです。
しかし、小さな利益をコツコツと積み重ねていくとトータルで大きな額になります。
ビットコインの短期売買は通常、その日のうちに取引を終わらせることが多く、今日購入したものを翌日まで保有しておくということはほとんどありません。
その日のうちに決済完了というのが短期売買の投資スタイルになります。
短期売買のメリット
- ほとんどがその日のうちに決済するので、中長期スパンでのチャートの値上がり、値下がりを影響されにくい。
- 突然何か事件が起きたり懸念材料が出てきたりして市場が暴落しても影響がない。
- 小刻みにトレードするので取引ごとの利益は小さいものの、損が出た時も小さく抑えることができる。
- 取引の度に手数料がかかるものの、手数料がマイナスの取引所を選ぶと得をする。
- 取引ごとに新たな気持ちで取り組めるので、損が出ても気分の落ち込みを引きづりにくい。
短期売買のデメリット
- 取引回数が多くなるため常にチャートに張り付いていないといけない。
- 一度で大きな利益を出したい人には向かない。
(莫大な資金があったり高レバレッジをかけている場合は除く) - 取引の度に売買手数料がかかるため、手数料が安い取引所を選ぶ必要がある。
- レバレッジを効かせない方法での取引で大きな利益を出そうとすると大きな資金が必要となる。
- 秒や分単位でトレードするため多少の集中力が必要となり疲れを感じることがある。
- 株式投資やFX取引と比べて全体的な値動きの流れが読みづらいことが多い。
中長期保有(ホールド)
中期保有は数日から数か月スパンで取引を行い、長期保有になると数年単位で保有するという投資方法です。
「ホールドする」「ガチホする」などとも言われ、元々の株式投資の形とも言えるスタイルです。
短期売買が小さな利益をコツコツ積み重ねていくのに対して、中長期保有は取引回数を少なくしてその分大きく利益を取るというやり方になります。
中長期保有のメリット
- ビットコインなどの仮想通貨市場は現在成長過程にあるため、買ってそのまま塩漬けしておくことで利益が出る可能性が高い。
- 日々チャートに張り付く必要がない。
- 突然チャートが暴落してもずっと保有しておくためやがて元に戻る可能性が高い。
- チャートの値動きに一喜一憂せず余計なストレスを感じなくてよい。
- 安い時を見計らって買うので、レバレッジをかけていなければ損が出てもその分だけですむ。
中長期保有のデメリット
- 中長期保有するためその間、盗難や紛失などに遭わないよう管理しておく必要がある。
- 短期売買はすぐに利益が手元に残るが、中長期保有は売るまでの期間利益を手にできない。
- もし思っているように値上がりしなかった場合、資金をただ寝かせているだけになる。
- 仮想通貨市場に対して国の規制が入ったり、世界的な規制の流れ次第で値上がりしないことも考えられる。
資産以上のお金を動かすレバレッジ取引
仮想通貨投資では、株やFXと同様に自分の持っている資産以上のお金を動かして取引を行うレバレッジ取引も可能となっています。
ハイリスクハイリターンのトレードなので、これらのトレードを行う際は資産管理をしっかり行う必要があります。
レバレッジ取引の中でも、細かく分けていくつか種類がありますので、1つずつ解説していきます。
信用取引
株式投資やFX取引をしたことがある方はなじみが深いかと思いますが、信用取引とは手持ちの資金よりも大きな取引ができる取引方法です。
信用取引に対して現物取引があり、現物取引は投入した資金の分だけの取引が行えるという方法です。
ハイリスクハイリターンのトレードが可能
信用取引では入れている資金以上の取引を行う際、レバレッジを効かせる、レバレッジをかけるという言い方をしますが、取引所ごとにレバレッジ倍数が設定されています。
例えば1BTC=1,000,000円とすると、現物取引なら1BTC取引するためには1,000,000円必要になります。
しかし、レバレッジを効かせると、1,000,000円で5BTCや20BTCなど手持ちの資金以上のビットコインの取引を行うことができるようになるため、より大きな利益を生み出すことが可能になるのです。
信用取引のようにレバレッジを利用した取引には、他に「FX取引」、「先物取引」があります。
『売り』からでもトレードに入れる
現物取引は先に「買い」注文を出し、値上がりした時に「売り」注文を出すのに対し、信用取引は先に「買い」注文だけでなく、「売り」注文も出すことができるので、下げ相場の時にでも利益を出せるようになっています。
上昇中のチャートがそろそろ下がりそうという時に売り注文(空売り)を出し、チャートが上がりだしたタイミングで買い戻しを行います。
とはいえ、信用取引は必ず売りから入らなければいけないわけではありません。
現物取引のように先に買い注文を入れることもできますが、レバレッジをかけないのであれば現物取引と違いはありません。
信用取引は、現物取引にはないレバレッジ、空売りができるという点が特徴です。
信用取引には借入手数料が発生する
ビットコインの信用取引で売り注文から入るとすると、実際に手元にないものをなぜ売ることができるのでしょうか。
それは信用取引では、取引所からビットコインを借りて売っているからです。
そのため借りるための借入手数料というものが発生します。
相場が大きく下がっていくと予想される時は、借入手数料を払ってでも利益が出るため信用取引が行われています。
借入手数料は取引所ごとに異なり、レバレッジ1倍なら手数料無料、2倍以上から手数料が発生するという取引所もあります。
また借入手数料は1取引ごとにではなく、1日あたりで計算され、返済期限が存在します。
仮に値下がりするだろうと思って信用取引で空売りをかけたビットコインが予想と異なり、どんどん上昇していった時は買い戻せずそのまま保有することになりますが、保有している間に返済期限を迎えた場合は、再借入を行うことで借入手数料を日々支払えばそのまま保有することができます。
しかし何らかの理由があって再借入できないことがあります。
その時は、強制的に買い戻しの取引が行われ決済されてしまいます。
信用取引のレバレッジを効かせる取引や空売りなど魅力的ですが、初心者がいきなり信用取引から始めるのはあまりおすすめできません。
レバレッジは利益が出た時は大きく儲かるものの、損が出た時は損も大きくなります。
初心者の方はまずは現物取引にある程度慣れてから取り組むのがいいでしょう。
信用取引のメリット
- 下げ相場でも利益を出すことができる。
- レバレッジをかけることで一気に儲けることができる。
- 少額資金でも借りて大きな取引ができる。
信用取引のデメリット
借入手数料が発生するため、中長期保有はあまり向かない。
・取引所のシステムがダウンしたり混雑している時は、注文がなかなか確定できず損が出ている時は大きくなってしまう可能性がある。
・買い戻せず大きな損が出ていると強制ロスカットで損切りさせられてしまう。
FX取引(仮想通貨FX)
ビットコインのFX取引とは、証拠金取引と言われる取引方法で、信用取引とよく似た性質を持っています。
証拠金とは担保のお金になります。
FX取引の最大の特徴は、レバレッジをかけることで手元の資金よりも大きな取引ができる点で、レバレッジの倍率は取引所ごとに異なります。
現在の傾向からすると、5倍、15倍、25倍のところが多いです。
信用取引との違い
FX取引は信用取引のように「売り」からでも始めることができます。
では、FX取引と信用取引の違いは何なのでしょうか?
レバレッジをかけた信用取引は資金やビットコインを取引所から借りるのに対し、FX取引では、ビットコイン自体の受け渡しが行われず元々取引所にある資金をそのまま使ってビットコインの売買を行います。
その取引で発生した価格差に相当する日本円のやり取りが行われ、これを「差金決済取引」と言います。
また、信用取引とは異なり取引所から借りているわけではないので、FX取引には返済期限がありません。
そのためいつまでも保有し続けることが可能です。
しかし、FX取引にはスワップポイントというものがあります。
異なる2つの通貨の金利差がスワップポイントですが、本来仮想通貨には日本円やドルなどの法定通貨とビットコインの間に金利差というものは存在していません。
そのため取引所によってはスワップポイントという言葉を使わず「レバレッジ手数料」という名目を使っていることもあります。
FX取引で取引したビットコインには1日当たりスワップポイント(レバレッジ手数料)が発生します。
そのため長期保有はあまり向かないでしょう。
ただし、『GMOコイン』など取引所によってはレバレッジ手数料は無料のところもありますので、ビットコインFXを行う際はそういったFXに向いている取引所を選ぶと良いでしょう。
FX取引のメリット
- 少額資金でも大きな取引ができる。
- レバレッジをかけることで大きな利益が狙える。
- 売りから始められるので下げ相場でも利益を出すことができる。
FX取引のデメリット
- レバレッジ手数料がかかるため長期保有に向かない。
- 初心者向きではない。
- レバレッジは損が大きくなるリスクがある。
- 現物の受け渡しがないため、送金や支払いなどには利用できない。
先物取引
ビットコインの先物取引とは、将来のビットコイン売買の契約を約束する取引方法で、「限月」(げんげつ)という期限があります。
期限が来たら必ず決済取引をしなければいけません。
限月とは先物の期限が満了する月のことです。
先物取引で儲かる仕組み
儲ける仕組みとしては、例えば
- 現在『1BTC=1,000,000円』として、3週間後に1BTC買う、という約束(取引)をします。
- 3週間後に『1BTC=1,200,000円』に上昇した。
- 200,000円の利益を得る。
となります。
『売り』から入ることも可能
また先物取引は、信用取引やFX取引のように「売り」から始めることもできます。
日本円を証拠金として預け入れしておくとレバレッジを効かせて取引をすることができるので、少ない資金で大きな取引が可能です。
レバレッジの倍率は取引所ごとに異なります。
FX取引との違い
先物取引はFX取引とほぼ同じような取引方法ですが、FX取引は好きな時に売買することができる、ずっと保有し続けることができるのに対し、先物取引は限月が来たら強制的に決済が行われます。
(限月を迎えても決済しなくてもよい商品も一部の取引所であります。)
限月を迎えても自分が予想していた値動きでなくても決済しなくてはいけないため損をすることもあります。
限月前に反対売買をして決済をすることも可能です。
先物取引には借入手数料やスワップポイントなどはありませんが、取扱手数料のような意味合いの手数料がかかってきます。
先物取引のメリット
- 長期間ウォレットに保管しておく必要がない。
- 前もって売買価格を決めておくことで、ビットコインの急激な価格変動のリスクを回避することができる。
先物取引のデメリット
- 先物取引が一気に増加すると市場に影響を与えるため、値動きがさらに激しくなる可能性がある。
- 先物を利用することで市場価格を操作できるため、一部の人たちが市場価格をコントロールさせて利益を得ている。
ビットコイン投資方法まとめ
今回は仮想通貨取引所を利用して、ビットコインの投資を行うやり方を紹介しました。
基本的には株やFXなどと同じ要領でトレードが行えますので、それらの経験者は苦なくビットコイン投資に参入していけるかと思います。
むしろ株・FX経験者からすれば、仮想通貨の方が値動きは読みやすいという声も多いです。
具体的な買い方については『ビットコインの買い方・購入方法』の記事を参考にして見てください。
ちなみに、株やFXとは違った仮想通貨ならではのビットコインの手に入れ方もありますので、下記記事もあわせてご覧になってみてください。
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