FXのトレードの勝率を高めるために通貨ペアの相関関係を知ることは重要です。
通貨の強弱関係を理解し、トレード手法の1つの根拠として取り入れることで、より精度の高いトレードを行うことができます。
今回は通貨ペアの相関関係とは何かとともに、リアルトレードへの取り入れ方やMT4における強弱関係が見れるインジケーターまで紹介します。
相関関係とは?
通貨ペアの相関関係についてみていく前に、そもそも相関関係とは一体何なのか理解するところからみていきましょう。
「相関関係」とは、数学でも出てくる用語ですが、2つ以上の物事において、一方が変化した際に、それに合わせるようにもう一方も変化する密接した関係のことを言います。
そして、相関関係の強弱を見るのに使う指標が「相関係数」というものになり、これは一定の計算式に従って算出された-1~+1までの数値で表されます。
この相関係数がプラスの時は正の相関(順相関)といい、両者は同じ方向に連動して動きます。
一方でマイナスの時は、負の相関(逆相関)といい、両者は逆の方向に連動して動きます。
相関係数は0の時は、二つが全く関係なしに動いているということで、この関係は無相関といいます。
通貨ペアの相関関係
通貨ペアにおいても相関関係があります。
例えば、デイトレードの通貨ペアとして代表的なドル円とユーロドルは逆相関の関係にあります。
実際には複雑な動きが絡み合いますが、簡単に言えば、ドル円が上がれば、ユーロドルが下がるという具合です。
以下のサイトで、各通貨ペアの相関係数が確認できます。
公式サイトhttps://www.matsui.co.jp/market/fx/correlation/
以下のサイトでは、もっと視覚的に相関関係が確認できます。
公式サイトhttps://www.oanda.com/lang/ja/forex-trading/analysis/currency-correlation
相関関係は通貨ペアだけでなく、日経平均株価とドル円も正の相関を示したりします。
それについては以下の記事を参考にしてみてください。
通貨ペアの相関関係を知ることの重要性
では、なぜ通貨ペアの相関関係をしることが重要になってくるのか?
それは現在の相場において、
どの通貨が強くて、どの通貨が弱いのかをあぶりだす
ということが第一の目的です。
さきほどの相関関係があることから、全ての通貨ペアというのは、大なり小なり連動して動いています。
これがなぜなのかというと、そもそも通貨ペアのトレードでは、
- 「ドル/円」を買った場合
- ”ドルを買い”、”円を売る”という事
- 「ユーロ/ドル」を買った場合
- ”ユーロを買い”、”ドルを売る”という事
- 「ポンド/ドル」を買った場合
- ”ポンドを買い”、”ドルを売る”という事
ということになります。
すなわち何かが買われた際には、何かが売られているわけです。
もっとかみ砕いていれば、その時に皆が欲しがっている「強い通貨」と皆がいらないと思っている「弱い通貨」に振り分けられるわけです。
極論を言ってしまえば、この強い通貨と弱い通貨のペアに絞ってトレードをするだけでもグンと勝率が高まります。
例えばドル絡みの通貨ペアを全て見ていって、全てにおいて「ドルが買われていれば」、その時の相場においてドルが強いのです。
逆に円絡みの通貨ペアを見ていって、全てにおいて「円が売られていれば」、その時の相場において円が弱いと見れます。
なので、この状態の時には「ドル円」の通貨ペアにおいて、ドル買い・円売りの方向にエントリーするのが勝率が高いと判断できます。
一方で、もし円よりも弱い通貨があるのであれば、勝率の面から言えば、「ドル円」ではなく、その一番弱い通貨をかませたトレードを行った方が良いと言えます。
実際のチャートでの通貨ペアの強弱の見方
文字だけだと分かりづらいと思いますので、実際のチャートでみてみましょう。
基本は長期足で確認していくのがベターなので、デイトレードなら1時間・4時間・日足あたり、スイングなら日足・週足あたり、それぞれトレードスタイルに合わせて時間足をかえてみてください。
以下はドルを基軸にした4つの通貨ペアです。(左上:ドル円、右上:ユーロドル、左下:ポンドドル、右下:豪ドル米ドル)
どっちの通貨が強いのかは移動平均線をみると分かりやすいです。
注意点としては、ドル円はドルが前なので上昇していれば強い、ユーロドル、ポンドドル、オージードルはドルが後なので、下降していればドルが強いと見れます。
まとめてみると、
- ドル円:揉み合っているレンジのようにも見えるが、直近の動きは上昇基調(ドルが強い方向)
- ユーロドル:直近は上げているが、長期的には下落基調(ドルが強い方向)
- ポンドドル:直近は上げているが、長期的には下落基調、対ユーロよりも下落基調が強い(ドルが強い方向)
- 豪ドル:直近は下げているが、長期的には上昇基調(ドルが弱い方向)
とみれます。
全体としては、ドルが強い方向にみれますが、豪ドルの動きも注意してみたいところだと見れますね。
では、その豪ドルの動きをみていきます。
まとめると、
- 豪ドル・米ドル:長期では豪ドルが強い方向、直近では豪ドルが弱い方向
- 豪ドル・円:直近では豪ドルが強い方向だが、移動平均線に抑えられている局面
- ユーロ・豪ドル:直近はユーロが挙げている局面だが、長期の移動平均線に抑えられているため。豪ドルが強い方向に傾きそうな局面
- ポンド・豪ドル:下落トレンド(豪ドルが強い方向)の中のレンジの相場
とみれます。
どの部分を切り取って見るかで、強い弱いの判断は変わってきますが、長期的に見れば豪ドルは強い通貨だと言えますね。
こんな感じで、他の通貨ペアもみていき、どの通貨ペア相対的に強くて、どの通貨ペアが弱いのかを判断していくというわけです。
根拠の一つとして組み込むことで優位性の高いトレードが可能
トレードにおいて、残念ながら絶対というものはありません。
しかし、この通貨ペアの強弱関係というものをとりいれることで、優位性の高いトレードを行うことが可能になります。
勝率を高めるためには、いかにそのトレードを行うにあたっての根拠を見つけるかが重要になってきます。
この根拠が多ければ多いほど、そう考えている人の絶対数が増えるわけなので、集団心理が働き、実際にその思惑通りの方向に相場が傾いていく場合が多いです。
その根拠の1つとして、通貨ペアの相関関係を取り入れられるというわけです。
リアルトレードへの取り入れ方
具体的に、実際にリアルタイムトレードで取り入れる際は、
- ドル円で買いエントリーしたい
- 他の通貨ペアもみてみる
- 通貨の強弱関係からして、ドル買いするのに最適な通貨ペアなのかを判断(円が相対的に弱い通貨となっているか?)
- 通貨ペアを「ドル円」に決めたら、今度は他のドル絡みの通貨ペアの直近の値動きをみて、「ドルが買われる方向に動いているか?」をみる
- 全ドルストレートにおいて、ドル買い方向に動いている場合、根拠としてかなり高いので「ドル買い」でエントリー
といった具合で参考にします。
つまり、トレードを行う通貨ペアだけでなく、相関関係にある他の通貨ペアでのドルの動きも確認することで、ドルが今市場においてどれぐらいの強さに位置しているのかが読み取り、それを手法の1つに取り入れることで精度をより高めることができるというわけです。
利確や損切の目安としても、他の通貨ペアをみてみて、ドルがへたってきているか、などを参考にすることができます。
MT4で通貨ペアを一目で見れるように設定すると便利
ここからは実践編というべきか、番外編になりますが、高機能トレードツール『MT4』を利用している人であれば、それぞれの主要通貨ペアの組み合わせが画面で一目でみれるようにすると便利です。
具体的には先程見せた画面のようになりますが、もう一度お見せするとこんな感じ。
上記は日本円絡みの通貨ペアになりますが、
- USD/JPY
- GBP/JPY
- EUR/JPY
- AUD/JPY
が一目で見れるように設定しています。
さらに日本円だけでなく、米ドル、ユーロ、英ポンド、豪ドルなどについても同様にチャートの組み合わせをつくっておけば、分析が素早く行えて便利です。
MT4では、そういったことが簡単に実現可能となっています。
具体的に、MT4を使っている方は、
- 上部メニューの「ファイル」 - 「チャート組表示」 - 「名前を付けて保存」で「米ドル」などと名前を付けて保存。
- 米ドルの通貨ペアのチャートを並べていく。
- 1,2の操作を他の通貨ペアにおいても行っていく。
これを繰り返していくだけで、各通貨ペアごとのチャートを一目でみれるようになります。
こうして作っておけば、あとは下部のチャート切り替えメニューで簡単に「米ドル」「ユーロ」「ポンド」など見たい通貨に切り替えることができます。
通貨ペア分析をする上ではMT4を利用するのが便利ですよ。
MT4が使えるおすすめのFX証券
なお、MT4をまだ使用していないという方のために、MT4が使えるおすすめのFX証券を紹介すると、『OANDA JAPAN』がおすすめです。
OANDAは私も愛用している業者になりますが、何がいいのかというと、
ドル円のスプレッドが世界最狭水準
だということです。
初心者のためにスプレッドとは何かを説明すると、いわゆる手数料のこと。
おそらく大多数の人が一番取引するであろうドル円のトレードを行う際に手数料が安く済むという事です。
口座開設手続きも早く、約定拒否等もされないので、
MT4を使いたいなら、とりあえずOANDAを開いておけば間違いないと思いますよ。
なお、OANDAにはベーシックコースとプロコースがありますが、最初に開く際はベーシックコースで十分です。
プロコースはいわゆる大口用のコースで、1度に発注できる通貨枚数が多い分、スプレッドも高くなっています。
MT4を初めて使用される方は初心者の方が多いと思いますので、まずはベーシックコースから開設するようにしましょう。
公式サイトOANDA JAPAN
通貨の強弱関係が視覚的に分かるインジケーター
さらにMT4では、通貨ペアの強弱関係がもっと視覚的にわかるインジケーターもあります。
CCFP2というインジケーターになるのですが、以下のように、各主要通貨の強弱を線グラフで表してくれます。
折れ線が上がっていけば通貨が強くなっているという意味で、下がっていけば弱くなっているということです。
上記では「USD」すならち米ドルが強いことがわかりますね。
このように折れ線の形で通貨の強さがみれますので、こちらを利用した方が分かりやすいという人も多いと思います。
CCFP2は、「しろふくろうさんのサイト」よりダウンロードできますので、MT4が使用できる環境にあって、使いたいという方はダウンロードしてみてください。