FXをはじめ、株式投資、仮想通貨、いずれにしても、トレードを行う上で常に相場の目線(トレンド)を意識することが大切です。
今回は目線の見方が分からない初心者の方のために、
- 目線とは何なのか?
- 上目線、下目線の判断の仕方
について、実際のチャートを利用して解説します。
目線とはそもそも何なのか?
FX初心者の方の場合、
「目線ってそもそも何なの?」
という状況かもしれませんね。
そんなに難しいことではなく、目線とは、要するに
相場が上(買い)の方向か下(売り)の方向かどっち方向に向いているか?
ということ。
上目線なら買い意欲が強く、この後も上昇する可能性が高い(上昇トレンド)
下目線なら売り意欲が強く、この後も下降する可能性が高い(下降トレンド)
とみれます。
トレードをする上では、現在の相場が上目線かどうか下目線なのかどうかが非常に重要なポイントになってきます。
ちなみに、どっちの方向感とも言えない「レンジ」相場というのもあります。
上昇・下降トレンドの見極めがトレードする上で重要な理由
では、何でトレードをする前に上目線か下目線かの見極めが重要になってくるのかというと、
「買い」で入るべきか?
「売り」で入るべきか?
の判断ができるからです。
FXでは、当然ながら100%勝つなんてことはまず有り得ません。
勝っているトレーダーというのは、勝ちと負け、両方を経て、トータルで勝っているのです。
その際、その勝率を高めるためには、集団心理を読み、より勝ちやすい方に乗っかる必要があります。
それにあたって、
- 上目線なら「買い」で入った方が勝ちやすい
- 同じように考えて、買いで入る人の方が多いから
- 下目線なら「売り」で入った方が勝ちやすい
- 同じように考えて、売りで入る人の方が多いから
という具合で重要になってくるというわけです。
相場では多勢に乗っかる方が勝ちやすくなるということは忘れないでください。
上目線か下目線かの判断の仕方
では、上目線か下目線かをどのように判断すればよいのか?
それは・・・
高値と安値の更新があるかどうか?
になります。
分かりにくいかと思いますので、図で説明しましょう。
まず左の図のように高値と安値が上に切りあがっていた場合、上目線となります。
「買い」のポイントとしては、安値がきり上がった「押し目」のところで買い、損切ラインは目線が切り替わる地点(前の押し値を切り下げてしまう地点)に置きます。
一方、下目線はその逆で、高値と安値が下に切り下がっていれば下目線です。
「売り」のポイントとしては、高値がきり下がった「戻り目」のところで売り、損切ラインは目線が切り替わる地点(前の高値を切り上げてしまう地点)に置きます。
では、下の図を見てください。
二つ目の赤丸の地点において、目線はどちらだと思いますか?
ルールは、
- 最高値を作った押し目を切り下げるまでは上目線
- 最安値を作った戻り目を切り上げるまでは下目線
でした。
なので、目線は・・・
上目線
になります。
1つ目の赤丸で高値と安値を切り上げているので、上目線とみれます。
そして2つ目の赤丸の地点でも押し目のラインを抜けていませんので、まだ上目線です。
完全に目線が切り替わるのは、そのすぐ後の山でラインを下に突き抜けたところになります。(結果として、再度上昇に転じていますが目線の切り替わりポイントです。)
なお、これらの理論はダウ理論と呼ばれるトレーダーなら知らない人はいないであろう理論に基づいたものになっています。
実際のチャートで上目線か下目線の見方を解説
上目線か下目線かの判断の仕方の理論的な部分は理解できたと思いますが、
「実際のチャートでどうやって判断すれば良いのかわからない!」
という人も多いと思います。
僕自身、最初そう思っていました。
そこで実際のチャートをみながら考えていきましょう。
目線を見るにあたって、前提としてフラクタルな目線でみなければなりません。
要は一部分を切り取ってみるのではなく、全体像を把握して、見るということです。
具体的には、デイトレード(1日に数回のトレード)、スキャルピング(数分程度で取引を終えるトレード)を行うなら
- 日足
- 4時間足
- 1時間足
- 15分足
- 5分足
- 1分足
このあたりのチャートを上位のチャートから順にみて、全体の相場感をつかんでおきながらトレードを行う必要があります。
まず日足のチャート。
それまで下降トレンドが続いて104円台まで突入していましたが、戻り高値を大陽線でブレイク。
これで一旦、下目線は終了したと見れます。
その後は、押し目をつくり、安値を切り上げながら、上昇し続けています。
このことから、上目線なのは明らかです。
そして現在の相場では、110円と108.750あたりを間にレンジ相場を作っています。
なので、日足ベースでは、上目線のレンジ相場中だと見れますね。
続いて、4時間足。
4時間足ベースだと、レンジ相場だと認識できます。
高値は切りあがっていませんし、特別な安値をつけているわけでもありません。
そして現在は下降している最中ですね。
ただ日足目線では上方向であることは忘れないでいてください。
またここで反発して安値を切り上げるようであれば、押し目の形になるため上方向にのびていく可能性が考えられます。
1時間足のチャート。
1時間足では真ん中あたりの上昇トレンドをブレイクしたのを機に、現在は高値・安値切り下げの下目線になっています。
なので、短期的には売りで勝負できそうです。
ただ左側にある大きな大陽線がみんなに意識されるポイント。
長期的にみると上目線なので、ここで反発する可能性は高いです。
利確位置はここよりも上側に設定するのがいいと見れます。
5分足のチャート。
5分足でみると、典型的な下降トレンドですね。
高値と安値がともに切り下がっています。
戻ってきたところで、戻り売りするのが絶好ポイントです。
なお、丸を付けた部分以外にも何度か上に戻っているシーンがありますが、この時は直近の値が安値を切り下げていません。
再度、上昇に転じてブレイクする可能性も考えられますので、ここで「売り」をするのは若干リスクが伴います。
ただこれを15分足でみてみると・・・
こんな感じで、長期足では一つの山として描画されています。
つまり、そういう目線でみれば売りポイントととらえてもOKです。
なお直近の値動きはグレーのラインの中で動いているということを踏まえると、このラインを越えたら、どちらかに大きく動き出すとも予想できます。
そうなれば、ブレイクアウトを利用して、そこで飛び乗って利益をとる、なんて手法も考えられますね。
まとめ
まとめると
- 短期の目線では、下目線で動いているので、戻り売りで狙う
- ただ日足ベースでみると上昇トレンド中のレンジなので、上にブレイクする可能性も考えて利確や損切ははやめの方がベター
- 逆に長期で上目線なので、上にブレイクすることを予想して最安値のところで買っておく。ただし、下へのブレイクポイントになるラインの直下に必ず損切をいれておく。
という感じで目線を利用したトレードができると思います。
正直、相場の見方に正解はありません。
一番重要なのは集団心理で、「多くの人がどのように見ているのか?どんなことを意識しているのか?」が重要になってくるのです。
常にそのことを踏まえたうえでルール作りをして、それにのっとったトレードをするだけでも勝率はぐんとあがってきますよ。