本記事では、『【ザ・キャズム】今、ビットコインを買う理由』という仮想通貨初心者でも読める本の書評をしています。
この本はフィスコCOOである中川博貴さんが著者で、ビットコインの歴史から現在の状況、さらに将来性についてまで学べる内容になっています。
フィスコは日本の株式会社で、フィスコグループは仮想通貨取引所のフィスコ(FISCO)を運営しているところでもあります。
幾つかの取引所がハッキング被害にあっている中で、フィスコは上場企業グループの会社が運営する取引所ということで、バックが安心だと注目を集めている取引所でもあるため、そんな会社のCOOが書いた本はどんなものになっているのか、実際に読んでみてレビューしていこうと思います。
『【ザ・キャズム】今、ビットコインを買う理由』とは?
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発行:実業之日本社
判型:四六判
頁数:304P
定価:本体1900円+税
ISBN:978-4-408-33785-2
発売日:2018年8月3日発売
内容
目次一覧
- 第一部 『貨幣の歴史を読み解く』
- 第一章「賢者は歴史に学ぶ」
- 貨幣の世界史からビットコインを読み解く
- 仮想通貨の誕生は、新時代の貨幣システムの兆し
- ビットコインは当分の間、「基軸仮想通貨」である
- 仮想通貨バブルなのか?
- 第二章「価値上昇の必然性を検証する」
- 仮想通貨マーケットに流入する投資家たち
- ある選択が新たな選択を呼び込む「再帰性」
- ネットワーク外部性
- 行き場のないマネーが時価総額を押し上げる
- 仮想通貨は「価値の保存」ができる
- マネーとイノベーションによるしわ寄せ
- 第一章「賢者は歴史に学ぶ」
- 第二部 『これからの貨幣はどこに向かうのか』
- 第三章 「ポートフォリオ資産としての仮想通貨」
- シナリオ・プランニングとは
- 金融資産の仮想通貨へのパワーシフトが起きる
- 「1%理論」とは何か?
- 第四章 「パワーシフトと国家財政」
- 国家における仮想通貨取引規制
- 「国益」としての日本の仮想通貨
- 新しい貨幣、その未来を体験する
- 第三章 「ポートフォリオ資産としての仮想通貨」
著者はフィスコの取締役・中川博貴氏
『【ザ・キャズム】今、ビットコインを買う理由』の本の著者は、株式会社フィスコIR 取締役 COOの中川博貴氏が務めています。
中川博貴(なかがわ・ひろき)氏のプロフィール
・株式会社フィスコIR 取締役 COO
・フィスコファイナンシャルレビュー編集長
慶應義塾大学経済学研究科 修士課程修了。株式会社フィスコ(証券コード:3807)にて国内外のM&A候補先企業のデューディリジェンスや実行後の戦略立案・オペレーショ ンの管理に携わる。
2014年より子会社である株式会社フィスコIRの取締役COOに就任。さまざまな上場企業のIR活動に対するコンサルティングに従事。
2017年より株式会社フィスコデジタルアセット グループ取締役に就任。現在に至る。
フィスコ(FISCO)といえば、国内にある仮想通貨取引所の1つ。
金融庁にも登録されている仮想通貨交換業者です。
そんな取引所の取締役の方が書かれた書籍ということですね。
仮想通貨取引所・コインチェック社のCOO大塚雄介さんなども「いまさら聞けないビットコインとブロックチェーン」といった本を執筆されていますので、取引所の方が本を執筆されるパターンというのは、珍しくないようです。
本を読んだ感想・口コミをレビュー
2018年9月14日には、コインチェック社に続き、国内大手取引所のZaif(ザイフ)がハッキング被害にあい、日本円で約67億円相当の資産が流出するという事件が起きましたよね。
コインチェック社の場合はマネックスグループの完全子会社になることで、資金面や技術面で落ち着きを取り戻しました。
では、Zaifは事件を受けて、どうなったか?
仮想通貨取引所の1つフィスコグループの傘下に入ったのです。
『【ザ・キャズム】今、ビットコインを買う理由』は、そんなフィスコのCOOが執筆された仮想通貨に関する本ということで興味があったので読んでみました。
がっつりネタバレなどは控えますが、どんな本なのか分かるように読んでみて思ったことや口コミをレビューしていきますね。
もし本を読もうか迷っている人がいたら、参考材料の1つにしてみてください。
本の内容はどんな感じ?
『【ザ・キャズム】今、ビットコインを買う理由』は仮想通貨の本ですが、その中でも特にビットコインにフィーチャーした内容となっています。
なぜ、今、ビットコインを買うのか――。
本書は、ビットコインないし、
仮想通貨が台頭した社会の未来像を想定、
さまざまな実例や根拠を踏まえて
新しい「貨幣論」を展開していく。
これまでの“仮想通貨ブーム”は序章に過ぎない。
すぐ目の前に来ているデジタルエコノミー時代に
ビットコインに代表される仮想通貨が、
最も「お金らしいお金」になるだろうとの仮説検証から、
今、ビットコインを買う理由を記す。
ビットコインがこれから貨幣として利用されるようになるのか、ビットコインにデメリットや死角はないのか、など、仮想通貨のプロフェッショナルと言える中川博貴氏が解説しています。
第1部と第2部に分かれており、第1部では、
- そもそもお金とは何なのか?
- ビットコインはお金になりうるのか?
など貨幣の歴史をテーマとし、仮想通貨を日本円など法定通貨と比較しながら具体的に話が進められていきます。
第2部では、ビットコインや仮想通貨の未来にフォーカスをあてて未来像の予想・考察がつづられています。
仮想通貨において重要視されている「法規制」についても各国家ごとに比較しながらまとめられているため、日本だけではなく世界的にどうなっていくのかもまとめられています。
仮想通貨の歴史や将来性が考察されている
先にいっておくと、この本ではテクニカル的な要素は学べません。
テクニカル的な要素とは例えば、チャートを見て、
今はダウントレンドだから、ここまでは下がるだろう・・・とか
このローソク足がポイントとなって、ここまで上昇する・・・とか
というチャートありきの分析のことです。
この本では、仮想通貨が誕生してから、バブルになって大暴騰し、少し落ち着いた現在にいたるまで、教養的な知識、いわゆるファンダメンタルズ的な要素を学ぶことができます。
仮想通貨の将来性について、
- 2017年年末から2018年始にかけての仮想通貨の高騰はバブルだったのかを過去のバブル(高度経済成長期など)と比較して分析
- 今後の日本の将来(2040~50年頃)における仮想通貨の存在のシナリオをフィスコCOO・中川博貴氏の視点から解説
と、具体的に書かれているため、今後長い目で見て、仮想通貨はどのような存在になっていくのかが一意見として知ることができます。
おそらく専業トレーダーでもない限り、チャートとにらめっこしてトレードするというよりは、
「今買っておけばこれから上がっていくのかな~?」
みたいな長期目線でトレードを考えている人が多いと思います。
そういった人は読んでおくと、トレードの参考材料になる良書だと素直に感じています。
初心者が知っておきたい知識が学べる
ここまで見ると、なんだか難しい内容のようにも見えるかもしれませんが、この本は初心者にも読みやすい本になっており、そもそも仮想通貨とは何なのか、貨幣の歴史を含めて1から説明してくれるため、わかりやすく理解できる内容になっています。
それでいて、ビットコインに至るまでの歴史がつらつらと長ったらしく書かれているというわけではなく、第1章で比較的重要なポイントのみをピックアップして簡潔にまとめられているので、飽きずにも読みやすいと思います。
また仮想通貨初心者にありがちな
- ブロックチェーンとは何か?
- 主要な仮想通貨は何か?
- ICOとは何か?
といった疑問についても解説されていますので、初心者にとって必要な知識は学ぶことができます。
初心者が最初に手に取る本としてもアリな選択肢だと思いますよ。
本の読みやすさ
本は、全部で304ページということで結構大ボリュームです。
中身も白黒なので、本を読むのが苦手という人は途中からだれてくるかもしれません。
読みやすさは本当に普通の本という感じで、「カラーで、イラストが多くて、本が苦手な人でもすらすら読める!」という感じではないので、超初心者の方でさくっと本を読みたいというような人にはあまり向いていないかもしれません。
ただ随所に写真やイラスト、表など読みやすくなるように工夫はされています。
無駄な情報をだらだらと書いてボリュームが多いというわけではなく、わりかしコンパクトにまとめられていて、このボリュームなので、それだけ知識が学べると思えばポジティブにとらえることはできますね。
『【ザ・キャズム】今、ビットコインを買う理由』がおすすめな人
以上を踏まえて、以下に当てはまるような人は、『【ザ・キャズム】今、ビットコインを買う理由』を一度手に取ってみてもいいんじゃないかなと思います。
こんな人におすすめ
- ビットコインをはじめ仮想通貨が本当に価値のあるものなのか、なぜ価値があるのかを知りたい人
- 仮想通貨の将来性について知りたい人
- ビットコインの過去、現在、未来と歴史を追って基礎から学びたい人
- 本を読むことに抵抗がない人
『【ザ・キャズム】今、ビットコインを買う理由』書評まとめ
今回は、『【ザ・キャズム】今、ビットコインを買う理由』の書評を行いました。
まとめると、初心者でも分かりやすく理解できる内容で、仮想通貨の歴史や将来性などファンダメンタルズ的な要素が学べる内容となっています。
特に第1部についてはタメになる、面白いという意見が多いです。
私がこの本を読んだのは、前述しましたが、フィスコIR 取締役 COOの中川博貴氏が執筆されたからだということです。
Zaifがハッキング被害にあってしまった中で、フィスコ仮想通貨取引所は『フィスココイン(FSCC)』『カイカコイン(CICC)』『ネクスコイン(NCXC)』といった独自のトークンがあることも踏まえ、今後、グンと伸びていく取引所になるのではないかと思っています。
公式サイトフィスコ仮想通貨取引所