FXトレードにおいて、日経平均株価と為替相場の相関関係を意識してトレードを行うことは勝率を高める上で重要です。
なぜ日本株が上がると円安になり、下がると円高になるのか?
ここでは実際のチャートで連動性を確認しながら、二つが連動して動く理由について解説していきます。
日経平均株価とは何か?
そもそも日経平均株価とは何なのか?
日経平均株価とは、日本の株式市場の代表的な株価指標の一つで、東証第一部に上場している銘柄の中から、特に取引が活発で流動性の高い225銘柄を選定し、その平均株価を算出して表されているものです。
すなわち日本の経済をリードしている会社の株価の平均値を表したものなので、日本の株式市場の相場の動き全体を読み取る指標だと言えます。
日経平均が上昇トレンドであれば、株式市場(日本経済の景気と捉えてOK)の景気が良く、逆に下降トレンドであれば景気が悪いと判断できます。
名称は単に日経平均、日経225とも呼ばれたりします。
日経平均株価は、以下等で確認することができます。
公式サイト日経平均株価
日経平均株価225銘柄一覧
2018年6月現在の日経平均株価に加わっている銘柄は以下の通り。
- 食品(11社)
- 日清製粉グループ本社
- 日本ハム
- サッポロホールディングス
- アサヒグループホールディングス
- キリンホールディングス
- 宝ホールディングス
- キッコーマン
- 味の素
- ニチレイ
- 日本たばこ産業
- 明治ホールディングス
- 繊維(4社)
- 東洋紡
- ユニチカ
- 帝人
- 東レ
- パルプ・紙(2社)
- 王子ホールディングス
- 日本製紙
- 化学工業(16社)
- 三菱ケミカルホールディングス
- 昭和電工
- 住友化学
- 日産化学工業
- 東ソー
- デンカ
- 信越化学工業
- トクヤマ
- 三井化学
- 宇部興産
- 日本化薬
- 花王
- クラレ
- 旭化成
- 富士フイルムホールディングス
- 資生堂
- 医薬品(9社)
- 武田薬品工業
- アステラス製薬
- 大日本住友製薬
- 塩野義製薬
- 大塚ホールディングス
- 中外製薬
- エーザイ
- 協和発酵キリン
- 第一三共
- 石油(2社)
- JXTGホールディングス
- 昭和シェル石油
- ゴム(2社)
- 横浜ゴム
- ブリヂストン
- 窯業(8社)
- 旭硝子
- 日本板硝子
- 住友大阪セメント
- 太平洋セメント
- 東海カーボン
- TOTO
- 日本碍子
- 日本電気硝子
- 鉄鋼業(5社)
- 新日鐵住金
- 神戸製鋼所
- JFEホールディングス
- 日新製鋼
- 大平洋金属
- 非鉄金属・金属製品(12社)
- 東洋製罐グループホールディングス
- SUMCO
- 古河機械金属
- 三井金属鉱業
- 東邦亜鉛
- 三菱マテリアル
- 住友金属鉱山
- DOWA
- 日本軽金属ホールディングス
- 古河電気工業
- 住友電気工業
- フジクラ
- 機械(16社)
- オークマ
- アマダホールディングス
- 小松製作所
- 住友重機械工業
- 荏原製作所
- 千代田化工建設
- ダイキン工業
- 日本精工
- NTN
- ジェイテクト
- クボタ
- 日本製鋼所
- 日立造船
- 三菱重工業
- IHI
- 日立建機
- 電気機器(28社)
- アドバンテスト
- ジーエス・ユアサコーポレーション
- SCREENホールディングス
- キヤノン
- リコー
- 東京エレクトロン
- ミネベアミツミ
- カシオ計算機
- 日立製作所
- 三菱電機
- 富士電機
- 安川電機
- 日東電工
- 日本電気
- 富士通
- 沖電気工業
- セイコーエプソン
- パナソニック
- ソニー
- TDK
- アルプス電気
- パイオニア
- 横河電機
- デンソー
- 太陽誘電
- 京セラ
- ファナック
- 日清紡ホールディングス
- 造船(2社)
- 三井造船
- 川崎重工業
- 自動車・自動車部品(10社)
- 日産自動車
- いすゞ自動車
- トヨタ自動車
- 日野自動車
- マツダ
- 本田技研工業
- スズキ
- SUBARU
- 三菱自動車工業
- ヤマハ発動機
- 精密機器(5社)
- テルモ
- ニコン
- オリンパス
- コニカミノルタ
- シチズン時計
- その他製造(3社)
- 凸版印刷
- 大日本印刷
- ヤマハ
- 水産(2社)
- 日本水産
- マルハニチロ
- 鉱業(1社)
- 国際石油開発帝石
- 建設(9社)
- コムシスホールディングス
- 大成建設
- 大林組
- 清水建設
- 鹿島建設
- 大和ハウス工業
- 日揮
- 積水ハウス
- 長谷工コーポレーション
- 商社(7社)
- 伊藤忠商事
- 丸紅
- 豊田通商
- 三井物産
- 住友商事
- 三菱商事
- 双日
- 小売業(8社)
- セブン&アイ・ホールディングス
- J.フロント リテイリング
- 三越伊勢丹ホールディングス
- ファーストリテイリング
- 高島屋
- 丸井グループ
- イオン
- ユニー・ファミリーマートホールディングス
- 銀行(11社)
- りそなホールディングス
- 三井住友トラスト・ホールディングス
- 三菱UFJフィナンシャル・グループ
- 千葉銀行
- コンコルディア・フィナンシャルグループ
- 静岡銀行
- あおぞら銀行
- ふくおかフィナンシャルグループ
- 三井住友フィナンシャルグループ
- みずほフィナンシャルグループ
- 新生銀行
- 証券(3社)
- 松井証券
- 大和証券グループ本社
- 野村ホールディングス
- 保険(6社)
- 東京海上ホールディングス
- T&Dホールディングス
- ソニーフィナンシャルホールディングス
- MS&ADインシュアランスグループホールディングス
- 第一生命ホールディングス
- SOMPOホールディングス
- その他金融(1社)
- クレディセゾン
- 不動産(5社)
- 東急不動産ホールディングス
- 三井不動産
- 三菱地所
- 東京建物
- 住友不動産
- 鉄道・バス(8社)
- 東武鉄道
- 東京急行電鉄
- 小田急電鉄
- 京王電鉄
- 京成電鉄
- 東日本旅客鉄道
- 東海旅客鉄道
- 西日本旅客鉄道
- 陸運(2社)
- 日本通運
- ヤマトホールディングス
- 海運(3社)
- 日本郵船
- 商船三井
- 川崎汽船
- 空運(1社)
- ANAホールディングス
- 倉庫・運輸関連(1社)
- 三菱倉庫
- 情報・通信(6社)
- KDDI
- 日本電信電話
- NTTデータ
- ソフトバンクグループ
- スカパーJSATホールディングス
- NTTドコモ
- 電力(3社)
- 東京電力ホールディングス
- 中部電力
- 関西電力
- ガス(2社)
- 東京ガス
- 大阪ガス
- サービス業(11社)
- 東宝
- リクルートホールディングス
- 日本郵政
- 東京ドーム
- セコム
- コナミホールディングス
- 電通
- ヤフー
- トレンドマイクロ
- ディー・エヌ・エー
- 楽天
為替相場(ドル円)と日経平均株価の相関関係
為替(ドル円)と日経平均株価が連動して動いていることは、よく知られていることです。
ニュースなどでも。「日経平均株価上昇につられてドル円が上昇」みたいなのをよくききますよね。
- ドル円相場が円安(上昇トレンド)に進めば、日経平均は上昇
- ドル円が円高(下降トレンド)に進めば、日経平均は下落
これは逆もしかり(日経平均につられる形)になります。
つまり、ドル円と日経平均株価はそう関係にあると言えます。
実際のチャートで日経平均とドル円相場の連動性を確認
実際のチャートで連動していることを確認してみましょう。
上が日経平均の日足チャートで下がドル円の日足チャートになります。
4月から5月終盤にかけて上昇が続き、その後、6月にかけてまで下落、そして6月から再度上昇に転じているという具合で、面白いぐらい連動しているのが見て取れます。
なお、この日経平均株価との連動性はドル円に限らず、ユーロ円、ポンド円など円絡みの通貨ペアでも同じような動きが見られます。
その理由については後述の説明を見れば納得して頂けるでしょう。
ドル円と日経平均株価の上昇率
ドル円と日経平均株価の上昇率ですが、概ね
「ドル円:日経平均株価=1:2」
の関係で上昇するとされています。
日経平均株価が2%上昇すると、ドル円が1%上昇しやすいという具合です。
あくまでも目安ではありますが、頭にいれておくといいでしょう。
日経平均株価が上がるとドル円が上がる(円安になる)理由
冷静に考えてみると、
- 日経平均株価が上がった
- 日本の景気が良い
- 日本の円が買われる
- ドル円チャートは下がる(円高方向に行く)
なんて流れが考えられ、実際にはその逆の動きになることが疑問に思えますよね。
つまり、実際には、「日経平均株価が上昇すれば円が売られて、株価が下降すると円が買われる」わけです。
なぜこのような動きになるのでしょうか?
海外投資家が株と円をセットで売買することが大きな要因
その答えは、海外投資家によるマーケットへの参入が最大の要因となります。
現在の株式市場では、日本人に比べて圧倒的に海外投資家の方が比率が多いです。
当然ですが、外国人投資家は
- ドル
- ユーロ
- ポンド
など外貨を所有しています。
そのため日本の株を購入する際には、自国の通貨を売り、日本円を買うことによって自国の通貨を買います。
しかし、この時、日本株を購入するために両替をしてしまうと、
- 株価変動のリスク
- 為替変動のリスク
の2つのリスクを抱えてしまうことになります。
そこでリスクヘッジのために、
日本株を購入すると同時に、購入した分の日本円の円売りを仕掛けて置く
ということをするわけです。
これによって、すなわち日本株が購入される、つまり日経平均株価が上昇する際には円が売られ、ドル円相場が上昇するという流れになるわけです。
反対に日本株を売却する際には日経平均株価が下がる方向に傾くわけですが、同時に持っていた円売りポジションを解消するため、結果的に円が買われる形となりドル円相場が下降するわけです。
要はリスクをなくすためにFXでいうところの両建て(「買い」「売り」両方のポジションを持つこと)をするというわけですね。
両建てならプラスマイナスゼロでは?
しかし、再度冷静になって考えてみると、
日本株を買うために外貨を円に換えて、円売りポジションをもつならプラスマイナスゼロで結果的にマーケットに変動を与えないのでは?
と思われると思います。
そこで出てくるのがレバレッジをかけた取引の存在です。
レバレッジ取引とは少額の資金で、それよりも大きな額の株を購入することになります。
株式市場でもFXと同様にレバレッジをかけた取引を行うことができ、その際には証拠金が必要になるわけです。
そしてFX同様に証拠金が一定以下に下回ると、強制ロスカットが起きて決済されてしまいます。
では、ロスカットを起こさないためにはどうすればいいのかというと、
株価が下がったときに日本円を買い増しして証拠金維持率を上げてロスカットを起こさないようにする
ということをするわけです。
これにより日経平均株価が落ちた時に日本円が買われ、ドル円相場も下落という流れが起きます。
反対に株価が上昇してくれば、証拠金維持率も上がってくるため、低金利通貨として知られる円をもっていても利益はないため、余分な円を売り払い、結果的にドル円相場が上昇していきます。
日本株の流れを読むことがドル円相場を読むことにつながる
このような理由から、日本株が上昇すれば円が売られて円安の方向に(ドル円相場が上昇する方向に)、下降すれば円が買われて円高(ドル円相場が下落する方向に)動きます。
つまり、日本の景気を読み取って、
- 日本株の株価が上がりそうだな。
- じゃあドル円も上がるだろう。
- ドル円は上昇トレンドになるとみて「買い」
という具合でエントリーを仕掛けることができます。
FXのトレードを行う上で、日本株の状況を読み解くことがいかに重要かがうかがえるでしょう。
まとめ
まとめると、
- 日経平均株価とは、日本を代表する企業225銘柄の株価の平均値を表した指数で、日本の景気の良しあしが簡易的に見れる
- 日経平均株価が上がれば、海外投資家の参入が要因となって円が売られ、ドル円相場は上昇する。
- 日経平均株価が下がれば、海外投資家の参入が要因となって円が買われ、ドル円相場は下降する。
- 日本の景気や日本株の上がり下がりを予想することでドル円相場の上下もある程度予想できる
となります。
ドル円のファンダメンタルズ的な分析を行う上で、ぜひ日経平均株価の動きも頭に入れトレードを行っていきましょう!