FXのトレードを行う上でドル円、ユーロ円など、どの通貨ペアを選ぶのかは1つの重要な要素になってきます。
ここでは初心者向けに、通貨ペアとは何なのかとともに、スキャルピングやデイトレードなど短期売買におすすめの通貨ペアがどれなのか、その選び方を解説していきます。
通貨ペアとは?
そもそも「通貨ペア」とは何なのかご存知でない方もいるかもしれません。
FXでトレードする上では基本中の基本ですが、通貨ペアとは
「取引を行う2か国の通貨の組み合わせ」
のことになります。
例えば、日本人が真っ先にトレードするメジャーな通貨ペアとしては、
- ドル円(USD/JPY)
が挙げられると思います。
アメリカのドルと日本の円の組み合わせですね。
この時、左側が「基軸通貨」といって、「支払う通貨」のことになります。
一方、右側は決済通貨と言って、「購入する通貨」のことになります。
つまり、ドル円ならドルが基軸通貨で、円が決済通貨ということになるわけです。
具体的には、ドル円のチャートだと「1ドルあたり110円」みたいにチャートが表示されますが、「1」という基本の方が基軸通貨だという意味でとらえると分かりやすいと思います。
もちろんドル円の他にも、
- EUR/USD ユーロドル
- EUR/JPY ユーロ円
- GBP/JPY ポンド円
- AUD/JPY 豪ドル円
- ・・・
などメジャーどころだけでも多数の通貨ペアが存在します。
デイトレードやスキャルピングに向いている通貨ペアはどれ?
人それぞれ、兼業なのか、専業なのか等で向いているトレードスタイルは変わってきますが、おそらく最初は多くの人がデイトレードからスタートしようかと考えるのではないでしょうか?
デイトレードとは、数分から数時間でトレードを完結する短期トレードのことです。
デイトレードのほかにトレードスタイルとして、
- スキャルピング(数分程度で取引を完了する)
- デイトレード(数分から数時間で取引を完了する)
- スイングトレード(数日から数週間程度で取引を完了する)
があります。
トレーダーの比率的にも一番多いのが、デイトレーダーだといわれています。
境界線は曖昧ですが、それよりも短い期間でトレードを行うスキャルピング勢もかなり多いです。
全くの初心者はポジションを持ちすぎるのもリスクがそれだけ高まるわけなので、スキャルピングの方がとっつきやすいかもしれませんね。
では、初心者が始めにデイトレやスキャルピングなど短期売買を行うにあたって、おすすめの通貨ペアはどれになるのでしょうか?
短期売買におすすめとなる通貨ペアの条件
デイトレに向いている通貨ペアの条件として、
- 取引量の多いメジャーな通貨ペアであること
- 適度なボラティリティ(変動率)
- スプレッドが狭いこと
があげられます。
取引量の多いメジャーな通貨
取引量が多いメジャーな通貨としては、ドル円、ユーロドル、ユーロ円あたりが挙げられます。
取引規模が多いということは、多くのプレイヤーが注目しているということで、それだけレジスタンスライン・サポートライン・トレンドレライン、節目などテクニカル分析が機能しやすくなります。
また値動きも安定しやすく、少数派の大きな取引によって思わぬ被害を受けてしまうなんてことも起こりにくくトレードがしやすいというメリットがあります。
適度なボラティリティ
ボラティリティとは価格の変動率のことです。
適度にボラティリティがなければ、それだけ値動きがないということなので、利益はあげづらくなります。
逆にボラティリティが大きすぎると、それだけハイリターンが見込めますが、ハイリスクにもなるため、トレードスタイルに合わせて選ぶ必要があります。
一般的に
- ドル円:ボラ小さめ
- ユーロドル:ボラ普通
- ユーロ円:ボラ大き目
- ポンド円:ボラかなり大きい
- 豪ドル円:ボラ普通
として知られています。
スプレッドの小さい通貨ペア
そして頻繁にトレードを行うなら重要になってくるのが、スプレッドの大きさです!
スプレッドとは何なのかというと、
通貨ペアを売るときの値段(Bid)と買うときの値段(Ask)の差額
のことです。
いわゆる手数料のことで、これがFX業者側の利益になるわけです。
スプレッドは業者によっても変わってきますが、スプレッドが業界最安のDMM FXでは、現時点でのレートで
- ドル円:0.3銭
- ユーロ円:0.5銭
- ポンド円:1.0銭
- 豪ドル円:0.7銭
- ユーロドル:0.4pips
となっています。
スプレッドを考えれば、頻繁にトレードする方は「ドル円」「ユーロドル」を選択するのがベストです。
またスプレッドは業者によっても変わってきますので、DMM FXなどのようにスプレッドの狭い証券会社を選ぶのも必須です。
公式サイトDMM FX
トレード初心者におすすめの通貨ペアの選び方
ここまで デイトレに向いている通貨ペアの条件を述べてきましたが、
「結局、どの通貨ペアがおすすめなの?」
という話ですよね。
これについては正直、どれが一番いいというのはありません。
以下の
- ドル円
- ユーロドル
- ユーロ円
- ポンド円
- 豪ドル円
あたりのメジャー通貨なら、どれでもいいと思います。(スプレッドを考慮するなら、ドル円、ユーロドルがいいと言えます。)
ただ全くの初心者の方の場合は、やはりドル円から始めるのがおすすめです。
日本人のトレーダーが多いことから情報も手に入りやすく、ボラティリティもさほど大きくなく、スプレッドも小さいので、一番リスクを抑えられる通貨だと考えられるからです。
また「ドルストレート(米ドル/円、ユーロ/米ドルなど米ドルを含む通貨ペア)」の通貨ペアは投機的な値動きが少なく、自然な値動きをすることが多いです。
すなわちテクニカル分析が機能しやすく、トレードがしやすいということです。
一方で、「クロス円(ユーロ/円、ポンド/円などドル円以外の円を含む通貨)」は値動きが激しく、思いもよらない方向に値が動いたりする場合もあります。
そのことから、初心者が始めに選ぶ通貨としては、ドル円、ユーロドルあたりが無難で、日本人にとっても馴染み深いことを踏まえると、初心者の方はまずドル円からスタートされるのがいいでしょう。
チャートの形状で適切な通貨ペアを選ぶ
ある程度なれてきたら、その時その時のチャートでトレードを行う判断をする方が重要になってきます。
例えば、ドル円しか見ていないと、ある程度、勝ちパターンを持っていたとしても、
- 勝ちパターンとなるチャートの形状まで待つ必要がある
- その時が来るまで、チャートを見つめ続ける。
- しかし人間の性質的に、ポジションを持ちたくなり、本来トレードを行うべきではないところでトレードを行ってしまう。
- 結果、負けがこんでしまい、損失を被ってしまう
という負のスパイラルに陥ってしまいがちです。
そこで、他の通貨ペアも見ることで、自分の勝ちパターンでトレードをする機会をグンと増やすことができ、その結果、勝つことにもつながってくるというわけです。
私自身の経験談でもあるのですが、初心者のうちは何だかポジションを持たずにはいられない気がしてくるのです。
これをポジポジ病といいます。
その結果、相場的にあまり良くないポイントでエントリーすることとなり、負けてしまうことになるのです。
そういったことを防ぐためにも、ある程度慣れてきたら、いろんな通貨ペアにも目を向けてみるメリットがあります。
単純にテクニカル分析(水平線やトレンドライン、ローソク足など)に基づいたルール通りのトレードが行える機会を増やすことができるので、それだけトレード自体も勝ちやすくなってきます。
また各通貨の値動きから、その日のその通貨の強さというものが何となく把握できますので、そういった意味でも他の通貨ペアの値動きにも注目してみると良いでしょう。
まとめ
まとめると、初心者のうちは
- ドル/円
- ユーロ/ドル
あたりからトレードを始めるのがおすすめです。
私も基本はこの二つ中心でトレードしています。
慣れてきたら、
- ポンド/円
- ボンド/ドル
- ポンド/豪ドル
- ユーロ/円
- ユーロ/ポンド
- ユーロ/豪ドル
- 豪ドル/円
- 豪ドル/米ドル
あたりの値動きにも注目してみるといいですよ!